md、MDを初めて使う
ややこしいタイトルだ(笑)
mdは、自分のことを「md」と書いている。普段はこれで問題はない。しかし、今日の記事は「MD(ミニディスク)」である。mdとMDという言葉が散発し、ややこしいんである。
だから今回は、自分のことを「私」と書く事にする。
MDの波に乗りそびれた私
信じられない話だが、私はMDを使ったことがない。イヤ本当である。なぜMDを買わなかったのかと考えると、理由が2つ思いつく。
理由1:車にMDプレーヤーがなかった
私の住む青森県は、結構な田舎である。移動手段は車がメインで、都会のように「電車で移動中に、小型音楽プレーヤー&ヘッドフォンで音楽を聴く」という事はない。もっぱらカーコンポで聴くんである。
で、私のカーコンポにはMDがなかった。カーコンポってそんなに買い換えるものではないし、当時はMDプレーヤーがないと困るというほどでもなかった。主流はカセットテープだったし。
理由2:CD-Rの存在
カセットやMDに録るぐらいだったら、CD-Rで焼けばいいぢゃん、という事になる。カーコンポにはCDプレーヤーがあるし、カセットテープに録ったって、車に積んでおくとテープが伸びちゃったりする。
ならばCDである。そりゃそうだ。そっちの方がイイ。てなわけで、当時、私にはMDは必要なかった。
しかし、困ったモノが登場する。CCCD(コピーコントロールCD)である。
MD購入を決意するが...
パソコンには取り込めないし、焼けないし、もう原盤買うしかない。しかし、avexのリリースペースに合わせて毎回CD買うわけにいかない(笑)。CCCDやJASRACには言いたいことがたくさんあるが、書くと長いので割愛。
同時期、自宅のカセットデッキがお亡くなりになる。となると、もうカセットにも録れない。これは困った。
今さらカセットデッキを買っても仕方ないので、MDデッキでも買うか、となる。てことは、車のコンポもMD付きに新調したくなる。買うタイミングを伺っていたら、これまたタイミング良くヤツが登場する。
iTunesとiPodである。
MDキラーだったiTunes
iTunesとiPodは、私に衝撃を与えた。シンプルな操作性、勝手に曲名は入るし、iPodでライブラリごと持ち歩くという発想は、抜群である。緩めなDRMもイイ(笑)
やがて米国でiTMSが始まり、時代は音楽のダウンロード販売へと突入する。やがて日本でも始まるであろうこのサービス。おかげで、すっかりMDプレーヤを買う気がなくなってしまった。買うならMDデッキではなくiPodである。
てなわけで私は、いままでMDというモノを使ったことがないんである。
もれなく付いてくるMDデッキ
で、「マッキントッシュ復活計画3」で書いた通り、私は新しいコンポを買った。今3万円台のコンポを買うと、もれなくMDデッキもついてくる。要らないんだが付いてきた。しゃーねーなー、使ってあげなくもないぞ(笑)
MDにダビングしてみる
とりあえず80分のMD5枚を購入。ソースは、CCCDのおかげで全く聴く気が失せていた、大塚愛のアルバム「LOVE PUNCH」と「LOVE JAM」をレンタルで借りてくる。わーたしさくらんぼー♪(実は聴きたかったわけだが)
MDには録音モードがいくつかある。音がイイ順に、SP → LP2 → LP4 → Monoとなる。Hi-MDだと、さらにPCMというモードもあり、これを使うとデジタル録音できる。うちのはHi-MDではなく、Monoにも対応していないから、SP、LP2、LP4の3つである。
とりあえずSPで録音。で、マニュアルを読むと、4倍速録音の仕方が載っていた。よし、これで録ろう。がしかしそこには、なにやら聞いたことのない文字が載っている。えっちしーえむえす?、なんですとこれは?
HCMSとは
ある曲を高速録音すると、録音を始めた時点から74分間は、同一の曲を高速録音することができません。HCMS(High-Speed Copy Management System)では、CDの曲ごとに固有なデータ(lSRC:International Standard Recording Code)をもとに、録音しようとしている曲が74分以内に録音されているかどうかを判定します。高速録音した曲を74分以内に高速録音はできません。
著作権保護対策だな。誰だこんなもんつけたのは。私が知らないうちに変なもんつけやがって....ブツブツ。高速ダビング機能を使って、短時間のうちに大量の複製を作ることを防止するのが狙いなんでしょう。まぁ、ほとんどの人は個人使用ですから、短時間で複数のMDに録音する事はない。個人にとってはジャマなだけである。
で、4倍速ダビング開始!。ダビング中はチューナーやAUXの音を再生できる。こりゃありがたい。で、夕食を食べているうちに、自動的にダビングが終了していた。ていうか、いつ終わったんだかわからなかった。さすが4倍速。
にしても簡単なもんである。カセットテープに録音しているときは、CDプレーヤーにプログラムを組んだり、カセットをリバース(なんてレトロな響き)させなければならなかったりと面倒だった。あまりにも簡単で、拍子抜けである。全然ブログのネタにならないではないか(笑)。別のネタを探さねば。
で、LP4で録ってみる
MDの録音時間を4倍にするLP4モード。80分のMDなら、録音時間を320分(約5.3時間)にできてしまう。当然音質は下がるだろうが、どれぐらい下がるのかわからない。同じソースを、SPとLP4で聞き比べてみた。
SPはヘタするとCDと大差ない音質である。強いて言えば高音の方がチト原曲と異なる。しかしそれは、ものすごく静かな部屋で、高級オーディオの前に正座して、ダンボのごとく聞き耳を立てなければ分からないレベルである。
しかし、LP4の音はあまりよろしくない。LP4は、特に高音がガッカリするほどヘロヘロになる。クラッシュシンバルやオープンハイハットの音がひどい。ヘビメタなどを聴いたら相当落ち込みそうだ。全体的にモヤがかかったような音で、透明感がないというか、抜けが悪いというか...音を説明するのが難しいので、ビットレートを調べてみた。
名称 | 圧縮 | ビットレート |
---|---|---|
CD | - | 約1,400kbps |
MD(SP) | ATRAC | 292kbps |
MD(LP2) | ATRAC3 | 132kbps |
MD(LP4) | ATRAC3(Joint Stereo) | 66kbps |
LP4はたったの66kbpsしかない。これで音がいいわけがない。しかもJoint Stereoである。これは左右のトラックを別々に記録するのではなく、モノラルの音と、左右の音の差を記録して再生する方式。なるほど、クリア感がない理由がわかった。
結論:LP4は割り切って使う
LP4は音楽の録音にはあまり向かない。ダメオーラを感じる。議事録を作るために会議内容を録音するとか、4倍になる録音時間のメリット優先とか、そんな使い方がいいんじゃないですかね。
上記のビットレートを見ていると、LP2だったら、そんなに音は悪くなさそうに思える。次に録音するときは、LP2も試してみよっと。
にしても、CDって音イイんですね。1,400kbpsの性能を持つCDに、128kbpsのmp3やAACを焼く僕ら。ビットレートが泣いている(笑)