CMSが使えない環境でCMSを使いたい?!それ、ステージングサーバーを使えば可能かも!
アイキャッチ画像
近年のホームページの運用において、コンテンツ(記事)の独自発信や管理はより重要な要素になっています。なかでもCMS(コンテンツ管理システム)は、コンテンツの効率的な管理を支援しホームページを維持・更新するための貴重なツールとなっています。
CMSのデメリットはズバリ「セキュリティ」
そんな便利なCMSですが、多くの場合直接「公開サーバー」にインストールすることが多いため、CMSのログイン画面に簡単にアクセスできてしまったり、プログラムの位置やセキュリティホールを突いたハッキングができてしまうなど、セキュリティ面では多くの課題が残ります。
実際、大手の会社などでは公開サーバーにCMSをインストールすることはまれです。
CMSは「公開サーバー」ではなく「ステージングサーバー」にインストールする
実際、大手の会社や公共機関では「公開サーバー(誰でも接続できるサーバー)」にCMSをインストールせず、「ステージングサーバー(あるいはテストサーバー)」にCMSをインストールして、できあがったコンテンツのみ(HTMLファイルや画像ファイルなどの「静的ファイル」のみ)を公開サーバーに「配信」することによってホームページを運用しています。
この方法であれば、「公開サーバー(誰でも接続できるサーバー)」上にはCMSのプログラムが存在しないため、セキュリティの問題を大幅に軽減できるというわけです。
公共機関のサーバーはCMSをインストールできないことが多い
公共機関のサーバーは、CMSなどの「プログラム的なもの」のインストールを禁止されていることがほとんどです。このような場合、CMSをインストールするサーバーとして別なものを用意し、そこで書き出されたファイル群を「サーバー配信機能」を使って公開サーバーにアップロードすれば、CMSを動作させることができます。
この方法であれば、「公開サーバー(誰でも接続できるサーバー)」上にはCMSのプログラムが存在しないため、セキュリティの問題を大幅に軽減できるというわけです。
公共機関のサーバーは外部からのアクセスが制限されていることがほとんど
また、公開サーバーのセキュリティによっては、「特定のネットワーク内からでないと公開サーバーにアクセスできない」ということもあります。この場合、ステージングサーバーからの「サーバー配信機能」は使えません。
この対策として、ステージングサーバーにFTPでアクセスして必要なファイル群をダウンロードし、組織内のネットワークから公開サーバーに再度アップロードすることによって、「特定のネットワーク内からでないと公開サーバーにアクセスできない」問題を解決し、更新することが可能です。すこし手間がかかりますが、このような手順を踏めば非常にセキュアな環境でCMSの運用が可能です。
ただし、この運用ができるCMSは限られる
このような「公開サーバー」と「ステージングサーバー」を分けたホームページの運用をする場合、CMS側が「スタティック(静的)なファイルを書き出すことができる」ことが条件です。
これを満たすCMSは意外と少ないのが実情ですが、スタジオエムディではCMSとしてMovableType(ムーバブルタイプ)を採用しています。MovableTypeは「静的書き出し」が基本なので、ステージングサーバー運用に向いているCMSです。
ステージングサーバーでCMSを運用する5つのメリット
(1)安全性の向上
ホームページはつねにセキュリティの脅威にさらされています。CMSをステージングサーバーで運用することにより、CMSの管理画面やプログラムを公開サーバーから切り離しすことができます。
(2)テストと品質管理
ステージングサーバー上で表示のテストが行えるので、問題や記載ミスを事前に発見し修正することができます。これにより、本番環境での予期せぬトラブルを避け、ホームページの品質を確保します。
(3)ワークフローの改善
ステージングサーバーは、ウェブサイトのコンテンツ更新や変更に関するワークフローを改善します。複数のチームメンバーが同時にコンテンツを編集し、ステージング環境で変更をプレビューできるため、コミュニケーションと協力が容易になります。
(4)バックアップと復元
ステージングサーバー上でコンテンツを管理することで、ホームページのバックアップと復元が簡単になります。誤ってコンテンツを削除したり、問題が発生した場合でも、ステージング環境から元の状態に戻すことができます。データの損失を防ぎ、ウェブサイトの信頼性を高めます。
(5)サーバー負荷の低減
CMSが接続するMySQLなどのデータベースやプログラムは、すべてステージングサーバー上にあります。公開サーバーには静的なファイルしか存在しないため、データベースに接続したり動的な動作をすることがありません。これにより、公開サーバーにかかる負荷が大幅に低減するとともに、ハッキングやクラッキングを防ぐことができます。
まとめ
CMSをステージングサーバーで運用することは、ホームページ管理の安全性、品質管理、効率性を向上させるための効果的な方法です。ステージングサーバーを導入することで、CMSが動かないサーバーでもCMS運用が可能となり、ホームページの運用プロセスもスムーズになります。
ぜひこのメリットをご理解いただき、お問い合わせをいただければ幸いです。